7月30日に向けて、工事、急ピッチです

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工事、はじまりました。そしてまず、内川側にあった納屋をガツンと壊してみると、こんな風に、部屋の中から内川が見えるようになりました。当たり前のことなのですが、妙に感激してしまいます。もうすでに、あの窓の外から着物を着てさんぽしたい!というお客さんが来る光景が目に浮かんでいます。イメージ、とても大事です。

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部屋のなかで妄想をしているところへ、施主の川口さんご夫婦が、工事の様子を見に来られました。そしてさらに、ご近所の手林さんが自転車で通りかかり、あれあれ、どうも、と立ち話が始まります。たまたま行った場所で知り合いが居て、さらにそこへ友達がやってくる、のような偶然は、まず東京では経験できません。まるで「サザエさん」の世界のようです。

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日をまたぎ、その二日後、今度は開口部のレベルを下げて玄関をつくるために、窓の敷居を壊しました。さらに、かなり痛んでいた床と基礎の束を撤去し、こんな空間になりました。毎度思うのですが、建築って、プロの手にかかれば、何でもできてしまうのだなと、感心します。

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建物の中から見た図です。驚いたことに、床下は「砂」だったのです。しかし、冷静に考えれば、かつては流れのある川岸だった場所、当たり前ですね。砂地を見て、ちょっと心配になりますが、部屋の対角線の水平を測ってみても、そう傾いていません。半世紀以上大丈夫だったので、新たに土を入れたり、基礎を打ち直すことはしませんでした。コンクリートのべた基礎だけは絶対にしたくありません。冬になると、キンキンに冷えますから。

7月30日まで、あまり時間がありません。一方、町家のリノベーションは現場合わせ的な作業が多く「蓋を開けてみてビックリ!」の連続です。その都度、現場監督さんと知恵を出し合い、対策を考えます。本当に楽しい仕事です。


明石 博之

[組織] グリーンノートレーベル(株)
[役職] 代表取締役
[職業]場ヅクル・プロデューサー

1971年広島県尾道市(旧因島市)生まれ。多摩美術大学でプロダクトデザインを学ぶ。大学を卒業後、まちづくりコンサル会社に入社。全国各地を飛び回るうちに自らがローカルプレイヤーになることに憧れ、2010年に妻の故郷である富山県へ移住。漁師町で出会った古民家をカフェにリノベした経験をキッカケに秘密基地的な「場」をつくるおもしろさに目覚める。その後〈マチザイノオト〉プロジェクトを立ち上げ、まちの価値を拡大する「場」のプロデュース・空間デザインを仕事の軸として、富山のまちづくりに取り組んでいる。

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