世間デザインする古民家オフィス マチザイNo.3
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世間デザインする古民家オフィス マチザイNo.3 write 明石 博之
注目されつつあるも、パワー不足は否めず
カフェuchikawa六角堂がオープンして3年が経とうとしています。カフェという小さな拠点から、地味な宣伝をした成果が多少あったのでしょうか、少しずつ、内川に足を運ぶ人が増えてきたように思います。でも、まだまだパワー不足の感は否めません。六角堂がオープンしたら、誰かが後に続いてくれるんじゃないかと淡い期待を抱いていたのですが、そう簡単にはいきません。内川沿いには「川の駅」もある、ドラマや映画、CMとかのロケが後を絶たず、富山県内の観光スポットとして注目度もかなり上がってきたのですが、まだまだ足りないんです。
世間をデザインする会社、ワールドリー・デザイン
足りないものは何でしょう。私はスバリ、女子力とか、オシャレ感とか、安易ですがそういったエレメントだと思うのです。古い町並みだからこそ、そういった異質な文化が欲しいところです。じゃあ、六角堂は違うのかと言うと、そういう文化を持ってこようとしたのですが、これは発信側の問題なのですね。そして、私が期待した文化の発信者が身近にいたことに気付きました。まちづくりとデザインの会社「株式会社ワールドリー・デザイン」です。そう、私の妻が経営する会社です。なんと言っても女子力全開のリトルプレス「itona」をプラットフォームとしたつながりが強烈ですし、最近では常時4名の女子スタッフがおります。
ある日、ワールドリー・デザインの明石あおい社長は宣言しました。「内川に古民家のオフィスをつくる!」あまりにも突然で、男前な宣言に私は驚きました。単なるオフィスじゃなく、イベントやギャラリーもできるサロン空間があり、そこは他所から来たとんがった系の人も、地元の人たちも遊びに来れるような場所、というイメージがあったようです。内川に仕事の拠点を移し、地域にも貢献したい、地域と一緒に発展する会社にしたいという願いに私も賛同しました。で、地域交流センター企画は、物件探しから完成までのプロデュースを引き受け、プロジェクトはスタートしたのでした。
内川につながるタイムトラベルの通路
内川沿いの物件と言っても、そう簡単には見つからないのです。川沿いはそれなりにニーズがあって、漁師さんの作業小屋とか、地元の方が倉庫として使いたいなど、空き家になったら地元限定のクローズドな情報網で買い手や借り手が見つかります。一方、空き家になっても地元の人には絶対に売らないという人もいたりして、なかなか思うようにはいきません。ところがどっこい、出会いとは突然やってくるのですね。思いっきり「売家」という看板を出した街道沿いの空き家を、地元NPOの「水辺のまち新湊」さんが紹介してくれました。「いやいや、ここは内川に面してないし…」と勝手な思い込みでスルーしていた物件です。しかし、内見して驚いたことに、川に面した町家と町家の隙間に、ほっそーい通路があって、これが辛うじて内川に面していることがわかったのです。その通路のロケーションが、これまたミラクルなのです。
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