元お米屋さん、髙木家のキオク(世間デザインする古民家オフィス)

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 表の通りに面した玄関から、裏手の内川に続く扉まで、ずうっと一本でつながっている細長い廊下。測ってみると、約30メートルありました。その昔、この廊下は奥の水廻りまでつづく通り土間でした。昔の家はもれなく汲み取り式の便所でした。お隣のぴったりくっ付いた町家はどうしていたかと言うと、この通り土間が汲み取り通路でもあったのです。
右に見える窓は、小さな中庭で、細長い町家ならではの明かり取りでもあります。階段はかつて増築した二階部分へとつながっています。ちなみに、この町家は、二階へ上がる階段が3つもあって、そのどの二階部分も行き来ができません。こういうところが「基地」っぽくてたまりません(笑)
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で、ここは、昔、髙木さんが米屋を営んでいた店舗だった部分で、お家を譲るときには、クルマが1台入る車庫になっていました。実は、古い町家が空き家になっていく原因の1つが駐車場問題なのです。新湊は古い住宅が密集したまちですから、こうゆう具合に、玄関を改造した車庫になっている町家を多く見かけます。
しかし、そのまますぐ住めるくらい、本当にきれいなお家です。
残念ながら、お米屋を営んでいたキオクは残っていないのですが、その辺りはご主人と一緒に、呑みながら聞くといたしましょう。

明石 博之

[組織] グリーンノートレーベル(株)
[役職] 代表取締役
[職業]場ヅクル・プロデューサー

1971年広島県尾道市(旧因島市)生まれ。多摩美術大学でプロダクトデザインを学ぶ。大学を卒業後、まちづくりコンサル会社に入社。全国各地を飛び回るうちに自らがローカルプレイヤーになることに憧れ、2010年に妻の故郷である富山県へ移住。漁師町で出会った古民家をカフェにリノベした経験をキッカケに秘密基地的な「場」をつくるおもしろさに目覚める。その後〈マチザイノオト〉プロジェクトを立ち上げ、まちの価値を拡大する「場」のプロデュース・空間デザインを仕事の軸として、富山のまちづくりに取り組んでいる。

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