町家ならでは、あこがれの中庭

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そうです。あこがれなのです。通り土間があって、うち蔵があって、母屋の先には小さな中庭がある、それが町家ならではの贅沢空間なのです。母屋の二階から中庭をはさんで蔵を覆う建屋が見える、こういう景色もなかなかのもんです。
ただ、気になるのは棟瓦が途中で切れていること。あきらかにデザインが異なります。工事の途中に何か新しい発見があるか、期待したいところであります。
こう見ますと、いざとなれば屋根伝いにお隣のお家へ行けちゃうという想像が湧いてくるのですが、この地で育った子ども達は、一度はそういった冒険をしたに違いありません。

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こちらは一階の様子です。中庭からやさしい光が畳の間に降りそそいでいます。見ているだけで癒されます。そう感じるのは日本人だけなのでしょうか…。ちなみにこの場所は、事務所の社長室となります。ほんわかしていて、仕事がはかどるのか心配になるくらい。さて、この風景もこれで見納めとなります。


明石 博之

[組織] グリーンノートレーベル(株)
[役職] 代表取締役
[職業]場ヅクル・プロデューサー

1971年広島県尾道市(旧因島市)生まれ。多摩美術大学でプロダクトデザインを学ぶ。大学を卒業後、まちづくりコンサル会社に入社。全国各地を飛び回るうちに自らがローカルプレイヤーになることに憧れ、2010年に妻の故郷である富山県へ移住。漁師町で出会った古民家をカフェにリノベした経験をキッカケに秘密基地的な「場」をつくるおもしろさに目覚める。その後〈マチザイノオト〉プロジェクトを立ち上げ、まちの価値を拡大する「場」のプロデュース・空間デザインを仕事の軸として、富山のまちづくりに取り組んでいる。

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