内川沿いの気になる空き家
どうしても人ごとだとは思えないのです。
内川沿いにあって、六角堂の3軒先にある、元中野染工さん。表の通りから内川に面したお庭まで続く長細い町家風の素敵な建物です。母屋とくっついている立派な蔵まであります。
もったいないことに、ここが空き家になっています。
もう、持ち主さんも気にかけてないのか、二階の屋根の瓦が崩れ落ちて、屋根の一部が崩落していたり、壁に穴が空いていたりと、もう随分と老朽化が進んでいます。
ご近所の方の話では、中野染工さんが営業している頃は、新湊一帯のお宅は、必ずと言っていいほど、こちらに暖簾を頼んでいたそうです。この地区のお家は、お祭りになると軒先に家紋の入った立派な暖簾を飾ります。
ちょっと失礼して、割れた窓ガラスの隙間からお家のなかをのぞいてみると、僕の大好きな世界が広がっています。建物の奥には、内川沿いから注がれる優しい光が溜まっている空間が見えます。歴史が積み重ねた人の営みの跡や、平然とした蔵の面持ち。あぁ、たまりません…。
この建物の運命は、いったいどうなってしまうんでしょ。人様の持ち物だと言うことは重々承知ですが、これは内川の魅力を語るに欠かせない必要な財産、そう「マチザイ」なのです。
なんとかできないものでしょうか。
持ち主さんの意向はわかりませんが、どなたかが譲り受けて住むか、六角堂のように人々が集うお店にするか、色々な方法はありますが、とにかく無くなってほしくない!!
六角堂を見つけたときから気になってます。多分、次の冬を越すのは厳しいかもしれません。あー、どうしよう、どうしよう…。ここに住んでみたいとか、ここでお店をしてみたいとか、誰かいませんか?!
明石 博之
[組織] グリーンノートレーベル(株)
[役職] 代表取締役
[職業]場ヅクル・プロデューサー
1971年広島県尾道市(旧因島市)生まれ。多摩美術大学でプロダクトデザインを学ぶ。大学を卒業後、まちづくりコンサル会社に入社。全国各地を飛び回るうちに自らがローカルプレイヤーになることに憧れ、2010年に妻の故郷である富山県へ移住。漁師町で出会った古民家をカフェにリノベした経験をキッカケに秘密基地的な「場」をつくるおもしろさに目覚める。その後〈マチザイノオト〉プロジェクトを立ち上げ、まちの価値を拡大する「場」のプロデュース・空間デザインを仕事の軸として、富山のまちづくりに取り組んでいる。
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