おきがえ処、内川「KIPPO」への想い

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現場監督さんのほか、大工さん二人と、左官屋さん三人が現場に入って大混雑状態です。暑いなか、本当にご苦労様です。本題とは関係ないことですが、職人さんの二の腕、めっちゃ太いです!多分、70代以上の方だとは思うのですが。
今日は、キラキラの砂壁を落とす作業です。KIPPOを店っぽくするために、どうしても土壁にしたかったのです。内川に面したこの贅沢空間を、よりそれっぽくしたいというプロデュースサイドの想い。川口さん、ありがとうございます!
そして、施主である川口さんの「KIPPO」に込めた想いをご紹介します…。他所から内川へ遊びに来る方々は、完全に非日常気分だと思います。その日常を離れた気分に色を添えるがこの場の役割です。はんなりと着物に着替えて散歩する…、もし、それが一人であれば、そんな自分が少し好きになるかも。もし、カップルで一緒に来れば、友達も羨む素敵なシーンで思い出の写真を撮ることができるかも。もし、イベントを企画して、大勢で着物を着て歩けば、それだけで新湊のニュースになります。

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「KIPPO」の「PO」は、歩くという意味です。「KI」には沢山の意味があります。季節を歩く、気持ちよく歩く、輝いて歩く、喜んで歩く、など(もっと沢山ありますが)すべて音読みの「KI」です。いつも元気な川口貴巳さんの「貴」でもありますね。貴巳さんが歩く…、その後には何か生まれそう(笑)
実は最近、この町家の持ち主さんである岡田さんご夫婦にお会いすることができ、uchikawa六角堂でランチをご一緒しました。お二人から昔の思い出を色々と教えて頂きました。川口さんの想い(+勢い)をキッカケに、ご実家が生まれ変わって、素敵な空間になっていくことを心から喜んで下さっているようで、マチザイノオトをいつもチェックして下さっているとのこと。しかし、感謝するのはこちらのほうです。内川沿いの空き家が次々と壊されていく一方で、岡田さんのような方がいらっしゃることに勇気をもらいましたから。
この現場も見られたとき、今まで塞がっていた内川側の物置が取り払われ、ズドーンと、しかも中庭を挟んだ商店街側にあるリビングから見通せる光景に初めて出会い、ワクワクしたとおっしゃってくれました。私も同じようなワクワク感を感じて、中庭越しに見える内川の風景を、どうしても実現したかったのです。岡田さんご夫婦と、なんだか気持ちがシンクロしたような気持ちになり、嬉しくなりました。
やっぱり、素敵なんですよ、町家の中から見える内川の風景って。ここに住む人が味わえる贅沢な空間なのです。(写真はブルーシートで内川は見えません、乞うご期待)


明石 博之

[組織] グリーンノートレーベル(株)
[役職] 代表取締役
[職業]場ヅクル・プロデューサー

1971年広島県尾道市(旧因島市)生まれ。多摩美術大学でプロダクトデザインを学ぶ。大学を卒業後、まちづくりコンサル会社に入社。全国各地を飛び回るうちに自らがローカルプレイヤーになることに憧れ、2010年に妻の故郷である富山県へ移住。漁師町で出会った古民家をカフェにリノベした経験をキッカケに秘密基地的な「場」をつくるおもしろさに目覚める。その後〈マチザイノオト〉プロジェクトを立ち上げ、まちの価値を拡大する「場」のプロデュース・空間デザインを仕事の軸として、富山のまちづくりに取り組んでいる。

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