一時、みっともない姿になります…

DSC_9261

雨漏りで傷んでいた二階の軒先まわりと、一階の屋根のすべてを撤去しました。表通りをふさいでいた単管の足場をバラして、ブルーシートで被い、かなり、みっともない姿になっています。この家も恥ずかしがっているに違いありません。隣の家々がバカにしている声が聞こえてきます。妄想が働きすぎでしょうか…。

さて、通りに面した顔のすべてをもぎ取られて、可哀そうな状態になっていますが、これには理由があります。お譲り頂いたときの状態は、大きな引違いのアルミサッシでした。そして、クルマを入れることを想定していたため、元々あった一階の屋根を撤去して、高い位置に持ちあげられていました。

それを今回のリノベーションでは、昔のオリジナルの意匠に近いカタチに戻そうと計画しました。多少、モダンな感じも入れつつですね。

DSC_9286

家の中の様子はこんな感じです。ここは作業スペースになるところで、床は断熱材を敷いて、フローリングにします。3部屋続きの空間を使って、壁一面に机と戸棚が設置されます。この部分は伝統的な意匠はあまり残りません。あくまでも機能性の作業空間となります。中庭の柔らかい日差しが最高です。

DSC_9292

そしてここが、中庭に面した土間の部分で、僕が気に入っている空間の1つです。中庭を見つめながら佇んでいるのは、古民家の町家をリノベーションして、オフィスにしようと大決断をしたワールドリー・デザインの明石あおい社長です。蔵の床下に敷き詰められていた砂は、結局、土間の方へ持ってきて活用しました。

DSC_9125

設計サイドと業者さんとの打ち合わせで、頼もしい男どもが、わんさかいる様子です。あらためて、蔵のあるオフィスなんて、東京じゃ、絶対にありえないことだし、かなりの贅沢空間だと再確認するのでした。蔵の前はダイニングキッチンになります。

DSC_9021

最後は、イベントとか、ワークショップするための空間になる場所で、天井を見上げて何かを考えている様子の写真です。このあたりは、もう建築としての体裁が保たれていないような場所で、壁やら柱やらの納まりをどうしていくのか、設計の濱田さんも悩ましいところだと思います。

六角堂のときと同様、こんな寒い時期に工事になってしまい、関係者の皆様には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。どうか、引き続き、よろしくお願いします。


明石 博之

[組織] グリーンノートレーベル(株)
[役職] 代表取締役
[職業]場ヅクル・プロデューサー

1971年広島県尾道市(旧因島市)生まれ。多摩美術大学でプロダクトデザインを学ぶ。大学を卒業後、まちづくりコンサル会社に入社。全国各地を飛び回るうちに自らがローカルプレイヤーになることに憧れ、2010年に妻の故郷である富山県へ移住。漁師町で出会った古民家をカフェにリノベした経験をキッカケに秘密基地的な「場」をつくるおもしろさに目覚める。その後〈マチザイノオト〉プロジェクトを立ち上げ、まちの価値を拡大する「場」のプロデュース・空間デザインを仕事の軸として、富山のまちづくりに取り組んでいる。

■ 関連記事