
庭師の山﨑広介ワールドが炸裂する、オフィス&ギャラリー

こちらの写真は、合成画像でもAI生成画像でもありません。間違いなく、お庭の石灯籠の背後に本棚がそびえっている実在の空間です。ここは、庭の設計と施工を行う山崎広介さんのオフィス兼ギャラリー。山崎さんの庭に対する思いやご自身の世界観をプレゼンテーションする場がついに完成しました。灯籠を室内に置くことを考えたのは私ではなく、山崎さん。その提案を聞いたときは「え、基礎はどうするの?」と思いましたが、コンクリートの床と一緒に埋めてしまうことで解決。しかし、デカい!!
【リンク】:庭師のオフィス&ギャラリー 自分の価値を最大化する空間へ マチザイNo.18

表通りに面した玄関の様子。ヘラルボニーに負けない異彩を放っております。通りかかる人のほぼ100%と良いでしょう、一瞬足を止めて、町家のなかを覗き込みます。この反応はデザイナーとしては嬉しいことです。なんと言っても山崎さんのプレゼンテーション空間なのですから。

逆に室内から表通りを眺めると、こんな風に見えます。夕刻の長い日差しが気持ち良い、なんとも麗しいチルタイムでしょう。余談ですが、最近の内川人気によって、川沿いばかりに注目が集まりますが、いやいや、通りに面した建物ならではの特別な空気感というものもあるのですよ。
この天井は、もともと床板でした。畳の下に敷くものです。床下の基礎から立っている柱の形にあわせて、床板に切り込みを入れるので、そのオマージュとして、3寸角の穴を開けて、それを照明装置にしました。

こちらがオフィスの看板です。ん、墓??と思った方、それはちょっと!!と言いたいところですが、ある意味正解です。というのも、この石柱は山崎さんの祖先の墓の石材の一部なんだそうです。こちらも山崎さんのアイデアで、私のなかの発想にはなかったものです。今回のようにクライアントがクリエーターというケースは、とても楽しい。私も大いに刺激をもらいながら、シナジーを生み出す体験はかけがえのないものです。

さらに奥から空間を眺めてみます。人間の背丈よりも高い6尺以上の灯籠。どれだけ空間を占領しているか、ご理解頂けると思います。左右に見える金ピカの角柱は銅板の一文字張り。今はピカピカですが、何年もかけて茶色になり、そのうち粉を吹いて緑色になります。経年美化を室内空間で楽しんで頂ければ幸いです。

あちらこちらに、床を埋め尽くさんとするほどの山崎さんの作品が。実際に、埋め尽くされつつありますが、見るたびに何かが変わっていて楽しいです。

そういえば、白い壁は漆喰仕上げですが、なんと、山崎さんご本人がDIYで塗りました。はじめてにしては、めちゃくちゃきれいに塗れています。やっぱり、扱うものは違えど職人さんは器用なのです。正直、驚きました!!

中庭まで下がって、通りを眺めた様子。中庭の建屋は痛みが酷かったので、ほぼ作り替えたようなものです。以前よりも陽の光を多く取り入れ、明るく、快適な空間にしました。町家のリノベーションは、中庭周りのデザインがめちゃくちゃ重要なのです!ここを失敗すると、ダサくなると、もう目も当てられません。
お隣さんの年季の入った錆びたトタンの壁は、当然、活かします。これがマチザイノオトの鉄則です。

はい、これも山崎さんのアイテムです。ノーコメントでいきます。

いよいよ、土蔵がある蔵前までやってきました。土蔵は2024年の地震でけっこう被害を受けてしまいましたが、それでも良い雰囲気は残されました。中庭の明かりと相まって、ここは新湊の町家ならではの魅力的な空気感が漂う場に。個人的には大好きです。キュンと来ます。ここを肴に晩酌もいけます。

土蔵を抜けて、トイレへ。え、土蔵を抜けて??そうなのですが、山崎さんのオフィスは、土蔵を介して北側の建物、南側の建物がつながっており、土蔵には南北でそれぞれ出入り口があるのです。けっこう珍しいケースです。トイレの設置位置は悩みましたー。トイレのための空間をあらたに設えてしまうと予算オーバーとなります。そこで考えたのがこちら、既存の部屋に約1坪のトイレスペースの入れ込んでしまうアイデア。しかも、スチールの枠でビニールハウスのような発想でデザインしました。トイレに至る空間も山崎さんのDIYです。(どれだけ施主さんに仕事さすねん!!)

私が好きな場所、ベスト10の1つ。まもなく、陽が落ちようとする直前のこの雰囲気。氏神さんの方向から差し込むありがたい日差し。ここもキュンとくるポイントです。

オフィスの斜向かいにある神社、氣比住吉社の脇にある路地。神社の敷地からニョキっと伸びる松と銀杏の木。落ち葉がきれいです。ん〜、贅沢すぎる。

夜に見るオフィスはこんな感じです。当然、通りかかるは足を止めます。山崎さんは昼間の仕事を終えて、夜になってオフィスに戻ってくることが多いようです。同じ町内に住んでいる私は、「あ、山崎さん、帰ってきた」と思いながら、この灯りを見るのが大好きです。山崎さん、この地に場を持っていただき、ありがとうございます。
<山﨑広介箱庭設計>
〒934-0022 富山県射水市放生津町5-12
Instagram:山﨑広介
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明石 博之
[組織] グリーンノートレーベル(株)
[役職] 代表取締役
[職業]場ヅクル・プロデューサー
1971年広島県尾道市(旧因島市)生まれ。多摩美術大学でプロダクトデザインを学ぶ。大学を卒業後、まちづくりコンサル会社に入社。全国各地を飛び回るうちに自らがローカルプレイヤーになることに憧れ、2010年に妻の故郷である富山県へ移住。漁師町で出会った古民家をカフェにリノベした経験をキッカケに秘密基地的な「場」をつくるおもしろさに目覚める。その後〈マチザイノオト〉プロジェクトを立ち上げ、まちの価値を拡大する「場」のプロデュース・空間デザインを仕事の軸として、富山のまちづくりに取り組んでいる。
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